Heliosphere

Zanの雑記

KTM 390 ADVENTURE 試乗 インプレッション

 

普通免許で運転できるアドベンチャーということでKTMから今年発売の「390 ADVENTURE」 

390 ADVENTURE

 KTMのお店で試乗してきました。
20分程度の試乗。交通量の少ない道と幹線道路の組み合わせコース

バイクは390DUKEと同じエンジンのアドベンチャーで試乗車もこの日仕上がったばかりということで、自分の前に試乗に来てた人もいてなかなか注目の車両

 


390 ADVENTUREを選んだ理由

バイク選びの基準のところでも記載しましたが、アドベンチャーバイクが第一希望です

heliosphere.hatenablog.com


アドベンチャーといえばビッグバイクが多い中で普通二輪免許しかもってない私が乗れるアドベンチャーバイクは実はかなり選択肢が少ないのです

色々調べてみると400ccのアドベンチャーといえばHONDAの400X以上!みたいな状況だったところにオーストリアからの刺客。2020年新発売の390 ADVENTUREが出るという情報が!

YouTubeでモトブログを漁ってるとみんなから刺激的なバイクとして評判が良い「390 DUKE」の兄弟車ということで期待度もバッチリ
外車ということでメンテナンス面等、不安なところもあるのですが、ダカールラリー18連覇の信頼性に期待してみようとのことで乗ってきました

デザインは完全に好みが分かれるカマキリ顔だと思います。自分は嫌いじゃない。
こちらも主人公メカな見た目ではない感じで、ゾイドに例えるとガイサックとかサイカーチス、ディマンティスあたりのやはり昆虫系

390 ADVENTURE

この昆虫顔!

良いと感じたポイント

車体の軽さ

驚いたのが重量。軽い。250のV-Stromより軽いのではと思って調べたら、今回のってる3車種で一番軽かった。

  • SUZUKI V-Strom250      : 181kg
  • KTM 390 ADVENTURE  : 161kg
  • HONDA 400X                  : 196kg

400ccクラスで250cc単気筒クラスの車重ということで車体をスタンドから起こした時の軽さがすごい

 

取り回しの良さ

390 DUKEに比べれば大柄なボディですが、もともとDUKEはかなりコンパクトなバイクなので車体が大きくなっても上記の車体の軽さも相まってかなり動かしやすい
狭い駐輪スペースに頭からつっこんでも引っ張り出すのが楽そう

 

エンジンのパワー

その軽い車体に400ccクラス(373.2cc)の単気筒エンジンが載ってる。パワーの爆発感がすごい
かなりパワーがある印象。回せばドカンと加速できる。反応が良くて乗ってて楽しい

 

足回りの良さ

サスが滑らかで乗ってて気持ち良い
WPのAPEXというサスが入ってて乗り心地が良かった
試乗車は柔らかめに調整してるらしいので、実際はもう少し固めにセッティングした方が乗りやすいかも
WPのAPEXは調整もかなり簡単なので、荷物や人に合わせて随時調整できるのも良い

 

ブレーキのよさ

これまで乗ったどのバイクよりもしっかりブレーキが利いてる感があって好み
BYBREのブレーキを積んでるのでさすがの性能

 

乗っていて楽しい

回せばグングン加速する。減速はサスとブレーキが良いからしっかりできるメリハリのある走りができる
刺激的なバイクなので乗っていて楽しい

 

思ったより振動がない

単気筒ってどうしても振動が強めな印象で乗りづらいのではと思っていたが
今のバイクは大体そうなのか、KTMはちゃんと振動対策ができてるのかそこまで気になることはなかった
それでも停車時の振動は2気筒、4気筒に比べると大きい(下記気になったポイントにも記載)

 

メーターデザインの良さ・操作性の高さ

スイッチを入れたときに「REDY TO RACE」の文字が出るかっこよさ
カラー液晶で回転数も速度もシフトインジケーターも見やすい
ハンドルについてるスイッチで表示内容切り替えもできてかなり使いやすい
所有したときの満足感が一番あるのではないかと思います

・オプションのパニアがかっこいい
しかもステー込みでそこまで高くない。アドベンチャー乗りとしてとても重要

 

クイックシフターが楽

オプションだけど上下オートシフターが付けられる!
400ccクラスでこの装備があるのは豪華。試乗車にもばっちりインストールされていて使いごこちはなかなかもの
停車時・発進時はクラッチ操作必須なので、発進時の慎重に捜査する部分は変わらないものの、長く走ってると楽そう
ただ回転数がしっかりあってないとアップ/ダウンできないので、コンピュータが意図できないタイミングでシフトを変えたい場合はやはりクラッチを握ることに
便利といえば便利だけど36,000円というお値段は悩みどころ

 

広めのタンデムシート

タンデムシートはアドベンチャーらしくそこそこ広め。タンデムはしやすそうな印象
また、タンデムシートはフロントと独立して取り外し可能で少しだけスペースがあるのも便利そう
他のバイクはタンデムシート側までもりもり電装部品が入ってたりするので、少しでも拡張性を持たせてくれるのはうれしい
V-Strom250で悩みがちなETC車載器もここに入れられると思う
しかもシート下に配線がきてるので将来的にはUSBに変換してモバイルバッテリー充電スペースにしたりできそうで夢が広がる

 

純正パニアの質感の高さ

純正パニアの質感が良い。メーカーロゴが大きくないけどしっかりデザインされていて見た目も良いし、専用品感ある収まりの良さ
容量もそこそこありそうで実用性も高そう
贅沢を言えばインナーバッグ不要の防水仕様にしてほしかった
Vストと比べると価格も少し高い(Vスト以外と比べると良心的)


気になったポイント

雑な操作は受け付けてくれない

雑な操作が許されない。初心者に厳しいバイク
国産車に比べて明らかにエンストしやすい(試乗中2回もエンストさせてしまった)

これはライダーが下手なのもあるけれど、他の国産2車種に比べて車体に合わせて
丁寧に操作してあげないと言うことを聞いてくれない

また、速度・道路に合わせてギアをしっかり選んであげないとすぐに車体がギクシャクする。HONDAの4気筒みたいにすぐに6速にあげて走るみたいなことはできない。
逆に下道だと4速ぐらいまでが実用範囲になってくるかも

 

停車時にミラーが見づらい

単気筒の振動が確実にあるんだなって思わせる部分
停車時にミラーが小刻みに揺れていてかなり見づらい
あと純正にしては攻めた形をしてるのもあって視認性はイマイチ
ミラー部分の見た目は攻めてるけどアーム部分が謎の形をしているので、もし購入するならミラーに関しては交換するかも


方向指示器のインジケーターが見づらい

メーター横に方向指示器のインジケーターランプがあるが、なんと右も左も同じ表示
ここは国産との考え方の違いか。個人的にはどちらに指示器を出してるかメーターでも確認できた方がうれしい

 

ハザードがない

上記の方向指示器のインジケーターは左右どちらにだしても左右共に光ってる表示なのでハザードみたいだなと思って、ハザードもつけてみようと探したらスイッチないんですよ、後から調べてみたらハザードはそもそもついてなかった
KTMの車両は一部を除いてついてない。ヨーロッパではバイクはハザード焚く文化はない…?
ツーリング目的の車両なのでつけてほしいところ

 

ガソリンタンクが他と比べると小さい

他のミドルクラスアドベンチャーのガソリンタンクは軒並み17Lで、満タン給油の航続距離500km走行を売りにしている。
対して390 ADVENTUREのタンク容量は14.5Lと同クラスにしては多めでもアドベンチャーとしては少し少なめ
満タン給油での航続距離は430kmとやはり他モデルには見劣りしてしまうところ
ただ、実用上は恐らく困る数値ではないと思うので大きな問題ではないかな
ハイオク指定のハズなので燃費もまぁ仕方ない

 

車体価格が高い

アドベンチャーバイクって車両価格が買い!
390 DUKEが\641,000-で390 ADVENTUREが\759,000-とDUKEより10万円は高い
DUKEよりサスやら何やら良いものバンバンついてるので仕方ないところはあるけれど、オプション盛ってしまうと乗り出し価格はかなり高くなる…
これまで外車にする予定がないのであまり調べてなかったのですが、外車は納車整備費用も国産車に比べて結構高いのでそれもなかなか悩ましいところ

 

回さないと楽しくない

このバイクの楽しさは元気なエンジンを回した時、メリハリをつけてカーブをクリアしていくのが楽しいので、渋滞とかにハマると操作がダルく感じそう

 

マフラー(サイレンサー)の質感の悪さ

 マフラーはどうしてこうなったという感じの車体のクオリティの高さに比べてかなり安っぽい見た目でアンバランスな感じ
390 DUKEはノーマルで結構カッコイイマフラーが載ってるのになぜ…
KTMパワーパーツのアクラポビッチサイレンサーが9万円ぐらいするので簡単に交換とはいかず…
ただ動画を見ると音も低くて良い感じなんですよね

youtu.be

たとえ性能が上がってもうるさいマフラーには全然興味ないんですが、これなら許容範囲だし見た目も良いという悩ましさ

オプションDLC商法

良いところで触れたクイックシフターですが、オプションをつけない状態でも車体にに必要なパーツは最初からついてて、オプションの金額を払うと追加でその機構を使用するソフトウェアをインストールしてくれるというゲームDLC商法みたいな売り方はなんかあんまり好きじゃない

クイックシフターとKTM MY RIDEとかいうBluetoothでのスマホと連携機能がDLC方式オプションに設定されてるみたい
MY RIDEはあまり欲しい機能がないからまぁ良いけど、クイックシフターは標準装備に含めてほしかったなぁ


各道路毎の感触の差

裏路地

狭い路地でも車体が軽いので歩行者をかわしやすい
ただ停止と発進は他より気を使うので快適かといわれればあまり…
慣れれば問題ないと思われます

 

交通量少なめの道路

他の車両が少ない場所ではなギアを試せてので楽しかった
6000回転ぐらいまで回すとシフトを変えるタイミングをメーターが教えてくれるので、その通りバンバンあげていくと爽快

 

幹線道路

メリハリのある加速をするので幹線道路で車の流れにのるまでがスムーズ
走行中は単気筒の振動が気にならないので、楽にながしていける

※試乗車のため高速やワインディングには行けてないので未評価


足つき

ノーマル状態でシート高855mmとアドベンチャーモデルらしく少し高め
身長178cmライダーでノーマルモデルだと両足デルだと両足が指の付け根あたりまで付く感じ
試乗車は40mmローダウンモデルでシート高815mm。こちらは両足べったり
個人的にはノーマルでちょうど良い感じ。もう少し背が低くても車体が軽いので取り回しの不安はなさそう

 

総合評価

乗りこなすのは大変だが乗っていて楽しいバイク

シート高が高く、エンジンも丁寧な操作が求められるバイクですが、それを補って有り余るほどに車体が軽く、元気なエンジンのお蔭で操る楽しみのあるバイク
また、メーターの演出や独特のデザイン等、所有欲を満たせる要素も多く印象が良い
反面、長距離での乗り疲れや外車なのでメンテナンス面の不安要素が消しきれないのが悩ましいところ

車体価格もなかなかのものなので要検討