Heliosphere

Zanの雑記

BMW G 310 R 試乗 インプレッション

 

BMWで数少ない普通免許で乗れる単気筒のGシリーズ 現行車はネイキッドのG310RとアドベンチャーのG310GSの2車種
検討中の今ならあのBMWでも試乗していいのでは!?とディーラーに行ってきました

G310R

G310Rを選んだ理由

バイクを選ぶ基準については以前の記事をご参照下さい

heliosphere.hatenablog.com

上記の記事を簡単にまとめると「普通二輪免許で乗れるアドベンチャーバイクが欲しい」ということなのですが、国内で購入できる物は意外と限られます

  • Kawasaki Versys-X 250
  • SUZUKI V-Strom250
  • BMW G 310 GS
  • KTM 390 ADVENTURE
  • HONDA 400X
    (排気量・アルファベット順)

ここからオンロード寄り(キャストホイールのモデル)に絞っていくとVersys-Xが除外されて、4車種のみとなります
そのうちの3車種は既に試乗してきたので、最後の有力候補がBMW G310GSということです

直接G310GSに乗れればよかったのですが、近くに試乗車がなく共通エンジンのG310Rに試乗してきました

G310GSも店舗にあったので股がらせてもらったのですが、やはり車格がGSのほうが少し大きくて好みの感じ
対してG310Rは軽くてコンパクトで扱いやすい印象

G310R正面

シンプルで端正な顔立ちで、G310Rはゾイドに例えるなら共和国側プテラスやレイノスのイメージ
G310GSは筋肉質で帝国側ゾイドっぽくてレブラプターやヘルディガンナーのイメージ

今回はお店のご厚意で2時間長の長時間試乗させてもらえました
お陰で短区間ですが、高速道路やワインディングも走行できました

似たような特徴(外車・単気筒・軽量な車体)を持っているKTM 390 ADVENTUREと比較する場面が多くなってます
こちらの方が排気量が小さく、値段も少し安いのを考慮してみていただければと思います

 

良いと感じたポイント

車体の軽さ

V-Strom250よりも軽いくて扱いやすかったです
前回のリストにGシリーズの2車種を追加してみるとこんな感じです

SUZUKI V-Strom250      : 181kg
KTM 390 ADVENTURE  : 161kg
HONDA 400X                  : 196kg
BMW G310R                   : 159kg
BMW G310GS                  : 170kg

GSだとKTMの390 ADVENTUREを超えますが、それでもまたがった時は軽いバイク感じでした
試乗したG310Rはこれまでで一番軽いうえに足つきもかなり良く、車体を支えやすかったです

250よりも強いトルク

310ccとトルク不足を感じた250ccと比べて60cc増というそこまで変わらないと思いきや結構走ります
高速走行で100km/h近く出した時もまだ余裕がある感じだったのでタンデムでも使えそうな印象でした

回した時の力強さ

4千回転ぐらいから急にググっと車体を押して伸びるエンジンでそこが一番楽しいです
ただ一般道だとそこまで持っていくのがなかなか難しい
面白くなる前に次の信号待ちになってしまうのが残念

安定感

後傾シリンダーのお陰で写真でもわかる通りスイングアームが長くとられており、一度走り出すとかなりの安定感がある車両
車体はコンパクトな部類に入るのに、1つ大きな車両並みの安定感があります
高速道路で100km/h近く出した後、降り口のICでブレーキを結構キツめにかけて減速してしまったのですが、車体が吸収してくれて恐怖をあまり感じませんでした
長距離でも安心して走れるのではないかと思います

質感の良さ

さすがはBMWといったところ
車両の塗装の質感の良さや細かいところにもBMWのエンブレムが入っていてBMWを所有している満足感がある車両です

G310Rサイド

車体側面にもしっかりBMWエンブレムが

特にハンドルバーの真ん中にあるBMWエンブレムは走行中にも目に入る機械が多く、BMWに乗ってるんだなという満足感があります

ETC標準搭載

ありそうで他メーカーではなかったETC標準装備

車を持ってない自分はバイクで遠出する気満々なので最初からついてるのはありがたいです 


気になったポイント

発進時のシビアさ

試乗中、走りだしのエンストがこれまで乗ってきた中で一番多かったので不安を感じたということです
初心者だから下手なだけだろというご指摘はごもっともなのですが、かなり気になりました
単気筒なので低速トルクがないのは承知の上、走りだしはアクセルを少し回してあげないと…と思って実行しても最初はかなりの回数エンストさせてしまいました
1時間も乗っていると感覚を掴みましたが、正直走り出しの不安で車両を楽しみ切れていない印象が試乗終了までずっとありました

低速トルクのなさ

上でも書いてますが、低速トルクはないです
一度転がりだして2速に上げれば安定して面白くなるのですが、停車時のエンブレもやりすぎるとエンストしたりとシビアなエンジンの印象でした
タンデムするときに増えた重量のせいでもっと厳しい面が出てくるのかもと思うと不安です

KTM 390 ADVENTURE気にならなかったところがかなり気になるので、そちらより許容範囲が少ないシビアな乗り心地だったと思います
排気量313ccと373.2ccの差がそこに出てるのかもしれません

ギア選択のシビアさ

390 ADVENTUREの時に感じた単気筒に由来するギア選択のシビアさはしっかりG310Rにもありました
むしろ390ADVよりも強くそれを感じる場面が多かった印象です
赤信号を確認してシフトを下げていく時に下げすぎてギクシャクしまう場面があり、気を使いました
この辺は慣れも大きいと思うのですが、同じ単気筒でも車種ごとにかなり印象が違いました


振動によるミラーの揺れ

単気筒もでるならではの振動はハンドルにはそこまで過激に伝わってくるわけではなく、長距離も問題なさそうでしたが、ミラーにはばっちり伝わっているようで細かい振動で後方の状況が確認しづらい場面が結構ありました
あとからわかったのですが、回転数が安定しないギアに入っている時は揺れが強くミラーに伝わっている(当たり前ですが)ようで、停止からの加速中に見えづらくなることが多かったです
安定して走行しているときは問題なかったです
自分は人よりミラーを見る回数が多い人だと思うのですが、そのせいもあって少し気になりました

メーターのシンプルさ

以前の記事で何回か書いてますが、個人的にメーターは所有欲を満たすのに重要な要素だと思っています

BMWの車両にしてはかなりメーターがシンプルで少し物足りないのと回転数が横に伸びるバータイプでそこも個人的には見づらくて苦手でした

G310Rメーター

エンブレムは良い

ハンドルバーの真ん中にあるBMWマークは小さくてもしっかり印象的でそこは良いです

313ccという排気量の悩ましさ

これは日本の法律の問題も絡んでくるのでG310の単体の悪いところではないのですが
250ccのバイクより確実にパワーはあるし実用的、400ccのバイクよりは価格が安いというところを見ればちょうど良いのですが、車検が発生するということで400ccと維持費に差が出ない状態になります
また、BMWは他と比べるとパーツが高いという声をよく聞くので他よりも維持費の面では高くなっていくのではという心配があります

サイドパニアが純正にない

純正サイドパニアの設定ががないのでステーとケースを両方買うとかなりのお値段アップになってしまいます
ヘプコ&ベッカーがかっこいいの出してるので、社外品すらない!みたいな状況にはならなくて済むのですが、悩ましい…

ハザードがない

390ADVENTUREと同じなのですが、こちらもハザードがありません

ウインカースイッチが見づらい

ここも390ADVENTUREというかKTMと同く、左右どちらかにウインカーを出すと共通のランプが点滅してメーターパネルだけでは左右どちらにウインカーが出ているか不明な仕様
この辺はヨーロッパ車と日本車の違いで外車に求める機能ではないのかも
G310Rに感してはウインカーが乗っていても視認できる位置にあったので直視すればどっちに出ているかは判別可能でした

ヘッドライトがハロゲン

今時BMWでLEDじゃないの!?ってなっちゃうところですね
テールランプはLEDみたいです
車体価格を見れば仕方ないのかもですが、ちょこちょこコストダウンの影響を感じます


各道路毎の感触の差

待ち乗り

今回ディーラーが面している道路が交通量の多い幹線道路だったので、まっすぐ走っていると信号待ちが多く悩ましい場面が多かったです
上記のとおり発進時に気を使うのでスピードが乗るまではあまり楽しくなく、楽しくなりそうなところで信号待ちになってしまいます

高速道路

エンジンは元気でよく回ってくれます合流や追い越しもスムーズで乗りやすくて良いです
短距離しか乗れなかったので超距離評価は難しいところですが、そこまでしんどくない印象です

ワインディング

ワインディングが楽しいバイクだったのですが、店舗からの距離や時間の都合であまり乗れませんでした
ただ短い区間でもカーブからの立ち上がりが250よりもしっかりしていて乗り心地はよかったです


足つき

G310Rの足つきはかなり良かったです(筆者身長178cm)
両足べったりで車両の軽さもあるので特に取り回しに苦労する印象は全くありませんでした

G310GSの方は少し大きくなったので両足を付けようとするとかかとが少し浮くぐらいでした
こちらも私ぐらいの身長であれば取り回しで心配するような要素はないと思います


総合評価

リーズナブルにBMWを体感できるが、体感できる範囲は限定的

この価格で普通二輪免許でBMWに乗れるというのはかなりお得
車両に直接は関係ないけど今までのディーラーの中で一番接客が良かったし技術スタッフや店長さんもかなり親切で丁寧
納車時には納車式を行う等、プレミアムブランドならではの演出が多いので満足感はかなり高いと思います
バイクはそれなりに高い買い物ですし、所有の満足感を盛り上げる要素があるとないでは車体やブランドに対する印象も変わってくると思います
その辺BMWはさすがの対応でG310を買えばBMWに乗っている満足感は確実に得られると思います

ただ、問題は車両自体の感触でG310はコストを抑えるためにインド生産や単気筒を選んでいるということでBMWをイメージして乗ると少し違うのではと思ってしまう面がありました
発進のシビアさが最たる例で、BMWの長距離をストレスなく乗れそうなブランドイメージと食い違っていて、楽しさより気を使うピリピリした場面が少し勝ってしまってこれが最高!とならなかったのが残念です
もちろん慣れの問題で大きく改善されそうなところではあります

そして、電子制御がなく操ってる感の強いBMW、走りだし以外はしっかりパワーもあって長距離も使えそう、デザインも良いし安定感もある、ETCも標準装備でしかも国産と比べて車両価格がそこまで高いわけではないなどなど、良いところも沢山あるバイクなので検討の価値はあると思います

乗り心地にもっと余裕を感じれば有力候補だったのですが、1台目のバイクに悩ましいところです

あと、これもあまり車両に関係ないのですが、今までのディーラーさんで一番踏み込んで値引きの提案もしてくれて売りたい感はつよかったですw

 

追記

youtu.be

YouTubeにあったG310Rの走行レビューですが、やはりエンストしやすいとのことです
理由は電子制御のアシストが国産と考え方が違うためにそうなってるという意見でした
もちろんそういう仕様なので、慣れれば問題ないという評価ですが一番気になった部分なので詳しい人のレビューが参考になります